2008/11/9-東海大学戦

日時  11月 9日 15:15 Kick Off

場所 アミノバイタルフィールド

●東京大学 21 ― 28 東海大学◯

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
東京大 0 0 7 14 21
東海大 7 7 0 14 28

Game Report

【前半】東大リターン(10yds地点キャッチ→自陣30yds)。QBは有井#14が2試合振りのスタート。
東海大ディフェンスは3-4隊形からOLBのうち最低一人は毎回ラッシュ、DLもチャージというアグレッシブな対応。これに対し、東大は、いつものショットガン隊形から、1stダウン、2ndダウンとオプションでRBにハンドオフするも、東海大DLの速い動きがハンドオフを受けたRBのプレッシャーとなり、殆どゲインできない。それでも、3rd-9では、WR池内#89にパスが決まり、敵陣47ydsからの1stダウン。
今度は、I隊形からオプションを試みるも、早いつぶしにあって、ほぼノーゲイン。2ndダウンのパスは失敗。3rdダウンとなり、バンチ(タイトスプレッド)隊形でセットしかかったところで、いきなり東大のタイムアウト。TDプレーを狙うつもりだったのが、東海大ディフェンス陣が想定する守備位置ではなかったのか?タイムアウト後のプレーは、パスではなく、ドロー気味のハンドオフで、これも東海守備フロントの早い動きのために、2ヤードしかゲインできず、結局、パント。
東海陣7ydsでボールデッドとしたので、ロースコアゲームの展開を目指すのであれば、それほど悪くない滑り出し。でも、今年の東大でロースコアゲーム?むしろ、東海大がそういう展開に持ち込みたいのでは?という気がしないでもなかったが、いずれにせよ、これまで威力を発揮していたショットガンからのRBのランが完封される出足となった。
その主因は、東海大のチャージ、ブリッツをほぼ毎回入れるような速い動きに対し、ショットガンからのオプションの展開が遅いためとみられた。フィジカルに強いという点では、日大や早稲田のディフェンスも同じだが、彼らはリードディフェンスだったこともあり、ショットガンからのテンポの遅いオプションもつぶされずに済んでいたといえる。東大オフェンス陣からすれば、初めて出会うタイプの守り方だったことは事実。

東海大の第1シリーズは、両TEのワンバック隊形から、WRへのクイックパス、RBのゾーン、I隊形からのSweepなど、どちらかというと伝統的でシンプルなプレーを織り交ぜてのバランスアタック。東大ディフェンスは、相手エースRB堀井#2を意識してか、前列重視の4-4隊形で応じる。しかし、本職RBながらWRもこなすバーサタイルバックの東海大#27へのパスが決まり、これに東大DB陣のタックルミスが重なり、一挙に東大陣11ydsまで進まれるロングゲイン。次の1stのプレーでゾーンフェイクのパスに東大LB、SF陣が落ち付いて反応できず、あっさりTD(東大0-東海7)。

続く、東大のリターンは、土井田#35が0yds地点でのキャッチから自陣20yds地点までリターン。
最初のRB高見#47の好ランで一発で敵陣48ydsでのフレッシュ更新となるも、次のショットガンからのプレーで、東海DLの早い突っ込みからQBサックで8ydsもロス。ショットガンからのオプションでRBへハンドオフするも、前シリーズと同様、ゲインは2ydsどまり。3-16では、東海Dが「QBドロー!」とプレー前から叫んでいる中、本当にQBドローだったが、有井#14が好ラン。しかし、惜しくもファーストダウンまで1ydsが残る。4-1でパントしたが、このカバーが良くなく、東海#27にファーストダウンの場所(東海陣48yds)までリターンされる。後知恵になるが、ギャンブルしてた方が良かった。

続く東海オフェンスでは、東海パスプロがよくもってしまう中、パス中心に東大レッドゾーンまで攻め込まれるが、ここで、守備範囲の広い東大LB杵多#9が、東海2年生QB原澤#10のパスをインターセプト。悪くなりそうな流れを断ち切る好プレーだった。

早いところ一本欲しい東大オフェンスは、今度はファーストダウンからリスクを取りに行き、ハンドオフフェイクのパスを試みる。しかし、QB有井#14のリリースが低く、パスカット。めげずに投げたWR森#19へのクイックスクリーンは成功し、ファーストダウン。その後、ショットガンからのオプションは、この試合初のRBへピッチする展開となり、土井田#35が走って敵陣31ydsまで進む。その後、3-6から有井が投じたパスは、DLにカットされた上にそのままDLにインターセプトされ、せっかく、引き寄せかけたモメンタムを手放す結果に。

次の東海大オフェンス、東大オフェンス、さらに次の東海大オフェンスと1・2・3・パント。

2Q残り1:44。振り返れば、試合の明暗を分けたのが、東大のこのドライブ。自陣24ydsからのファーストダウンでフェイクパスを試みるが、これまで同様、速いラッシュにプレーを崩され、QB有井がロスを防ぐのが精一杯。2-9で再びパスのコールだが、パス失敗。3-9でプロIにしたので、さすがにランプレーで時間消費かと思いきやSEへのクイックパスでこれも失敗。結局、30秒しか時間を使わず、1:15残して、東海にボールを渡してしまった。

東海大には、1:15を消費されつつ、ランパス織り交ぜて攻め込まれ、最後は、残り0:11、ゴール前9ydsからTDを許す(東大0-東海14)。

【後半】東大ディフェンスから。前半、パスをかなり通されたこともあり、東大ディフェンスはいつもの4-3-4隊形。東海オフェンスを1・2・3・パントに追い込む。

東大オフェンスは自陣22ydsからで、お待たせしましたTE梅田#80へのパス初ヒットやRB星野#31のランのほか、前半東海フロント陣の早い反応にやられたことを踏まえた、カウンター系のオプションなどがテンポ良く出始め、順調にドライブ。敵陣13ydsからの攻めは、3-1で痛恨のイリーガルプロシージャーで罰退し、3-6となってツインIからオプションピッチはロスタックル。4-10となって、やむなくFG。ここで東海大がパーソナルファールをしてくれたため、ハーフディスタンスで敵陣7ydsから1-G(ありがたや)。土井田#35へのオプションピッチで、東大は待望のTD(東大7-東海14)。

東大キックオフカバーは、得点後はお約束的になっているゴロキック。東海陣42ydsでボールデッド。しかし、本当にこのゴロキックは、メリットの方が大きいのか、試合が重なってくるに連れ、どうも疑問(それほど、カバーに自信がないということなのだろうか?)

東海オフェンスには、またもや進まれるが、レッドゾーンに入られてから、東大ディフェンスも粘り、ゴール前4ydsでタッチダウンされる危機をFGに追いやる。しかも、スナチョンをして、FGはNG。東大にまた流れが傾いてきた・・・・。

自陣20ydsからの東大オフェンスは、相変わらずオプションは守られることが多く(ピッチに展開してもLBが余っていてロスタックル。素直にやるのは、非常に危険)、3rdコンバージョンを余儀なくされるが、パスを成功させ、自陣33ydsまで前進。ここでクォータータイム。あっという間に4Q。

その、4Q入り後、最初のプレー(D&Dは3-8)は、リバースフェイクでQBがエンドラン。反応の早い東海ディフェンスは、モノの見事にリバースの方に反応し、有井は65ydsを独走。これでやっと同点(東大14-東海14)。

東大キックオフカバーは、お約束のゴロキック。前回と同様、東海陣42ydsから東海大の攻撃。東大は自陣20ydsからの攻撃が多いため、キックのある度に、東大は20ydsを相手に献上していることになってないか。東海大QB原澤#10は、鉄壁に近いパスプロに守られ(東大フロント陣もブリッツやDLのクロスなどアグレッシブなラッシュはしていなかった)、パスを効果的にきめ、最後はエースRB堀井#2のドローで25yds走られ、TD(東大14-東海21)。

しかし、遅まきながらエンジンがかかった?東大オフェンスも、次のシリーズ、RB星野#31の好ランや、3-1では、QB名井#15がワンポイントでQBスニークするなどして、粘り強くドライブし、11プレーを重ねてTD。再び同点とする。しかし、時間も結構使い、この時、残り5分を切る。

東大キックオフカバーは、再三のゴロキックで、東海オフェンスは自陣40ydsから。オフェンスの立場からすると、自陣20ydsからドライブを始めるのと、40ydsから始めるのとでは、精神的にも全然違う。そのリスクよりも、普通にキックして、一発ロングリターンされるリスクの方が大きいと東大キックユニットは判断していたのだろうか。このドライブを東海大は、クイックスクリーン、ショートパス、エースRB#2のラン等で、本当は東大が見習いたい、残り4分からのボールコントロールオフェンスを展開して、TDに結びつける。東大21-東海28とされた時は、残り59秒で、東大の残りタイムアウトは1コ。

奇跡の逆転を目指す東大攻撃は、自陣36ydsから。ここからコールされたパスパターンやQB有井の動きは、1stダウンを更新しようというよりは、ロングゲイン狙いだったように、観ていてうかがわれた。1回目の4-10は、有井がスクランブルで何とかフレッシュ更新も残り時間21秒。次の3回のパスもすべて失敗し、最後の4-10のヘイルメリーっぽいパスを東海DBにインターセプトされ、試合終了。

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