2010/11/14-中央大学戦

日時 11月14日 16:15 Kick Off

場所 横浜スタジアム

◯東京大学 27 ― 24 中央大学●

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
東京大 7 6 7 7 27
中央大 0 14 3 7 24

Game Report

初戦の立大戦で痛恨の敗戦を喫したものの、その悔しさをバネに関東学院大・一橋大・駒沢大に3連勝したウォリアーズ。
ブロック優勝の可能性を賭けて臨んだ早大戦で気迫溢れる戦いをするも無念の敗戦を喫して夢を断たれたウォリアーズ。
明大戦では勝利目前で無念の逆転負けをしたウォリアーズ。
昨年に続く2年連続の勝ち越しを賭けた大事な試合。苦しんでもがいた2010戦士達が持てる力を全て出し切って最高の勝負を挑み、必ずや有終の美を飾る。

【1Q】中大のキックオフで試合開始。
#23大津(2年)の好リターンで東大1stシリーズは自陣37ydから。
ここから東大オフェンスの完璧なTDドライブがスタート。先発QBは勿論大黒柱#16郷原(4年)。QB#16郷原からTE#34梅田(4年)のへパスに対して名手梅田を恐れた中大DBがインターフェアの反則を犯し、敵陣48ydへ。
我らが主将RB#33土井田(4年)の2回連続のランで敵陣37ydへ。更に次世代エースRB#23大津の12ydドローの好走でゴール前25ydへ。TE#34梅田への4ydフェイクパス、QB#16郷原の1ydキープで3rd-5。RB#33土井田のオプションピッチでゴール前15ydでFD。
ここでRB#33土井田へのドローフェイクからQB#16郷原のQBカウンター。中大ディフェンスが完全にフェイクにつられる中、QB#16郷原は持ち前の脚力を発揮して一気にエンドゾーンへ。#23大津のTFPも決まり、7-0と嬉しい先制点。(3:32)
まさに東大ハイパーオフェンスの真骨頂を魅せた完璧なドライブであった。

続く東大キックオフでビッグプレー炸裂。
機動戦士#34梅田がスピードとパワー溢れる超ハードタックルをリターナーに浴びせ、ボールを弾き出し、スピードスター#9高木万海(3年)がファンブルリカバー。気迫溢れる超ファインプレーにより、東大はゴール前20ydで再度攻撃権奪取。
このチャンスに、QB#16郷原からWR#27久世(2年)へのフェイクパス。躍進著しいWR#27久世が見事にキャッチしてゴール前7ydへ。一気に畳みかかる絶好のチャンス。
しかし、中大のパワフルなラン守備手強し。RB#33土井田のランは3dyロス、RB#23大津のオプションピッチは4ydゲイン、QB#16郷原のカウンターは4ydゲインで、ゴール前1.5~2yd。
挑戦者として臨む最終戦、ここはFG狙いではなくTD狙いと迷うことなくギャンブル。しかし、RB#33土井田のドローは惜しくもゴール前寸前で阻まれてTDならず。

自陣1ydからの中大1stシリーズ。
2回の中央ランで自陣16ydへ進まれ、更にオプションキープで自陣28ydへ。パス失敗、中央ランは6ydに留めて3rd-4とするも、QBカウンターに惜しくもFD献上。
しかし、ここで東大ディフェンス陣が見事な粘り。パスはSF#8岩田(4年)が後一歩でインターセプトとなるカバーを魅せて失敗。オフタックルランは2ydに留め、3rd-8。
パスを試みようとするも、東大パスラッシュ・カバーの前に投げることができず、QBはスクランブルし、これを5ydに抑えて4th-3/パントに追い込む。粘りの東大ディフェンスの真骨頂により攻守交代。

東大3rdシリーズは自陣5ydとポジション悪くスタート。
RB#33土井田がオプションピッチで好走し、2nd-インチ。

【2Q】中央ランはゲインできず3rdーインチとなるも、ノーバックからQB#16郷原がQBスニークでギリギリFD獲得、ゴール前から抜け出して自陣15ydへ。
2nd-10でRB#33土井田がドローからパワフルな2nd・3rdエフォートで3rd-3。しかし、オプションピッチは中大ブリッツが大当たりで3ydロス。結局4th-6/パント。

パントの飛距離が伸びず、中大2ndシリーズは東大陣47ydから。2回のランにFDを与えず3rd-1とするもスイープでFD献上/東大陣34ydへ。さらに15ydフェイクパス成功でゴール前19ydへ。
オプションキープにビッグプレーメーカーDE#55松永(4年)が見事なタックルで1ydゲインに仕留めるも、QBカウンターでゴール前9ydへ。
最後はオフタックルランにより一発でTDを許し、7-7の同点。(4:58)

取られたら取り返したい東大4thシリーズは自陣28ydから。
RBの位置に入ったWR#27久世の6ydオプションピッチの後、オプションフェイクからQB#16郷原がスプリントアウトしてRB#33土井田へのスイングパス。キャッチしたRB#33土井田が好走して自陣40ydへ。更にWR#19池内(4年)がフェイクパスをナイスキャッチして敵陣48ydへ。
ここで満を持してスペシャルプレー。
オプションの動きからWR#7今井(2年)のリバース。大きく空いたオープンスペースを好ブロックに守られながら、将来のパスオフェンスを担うWR#7今井(2年)が自慢のクイックネスで快走し、一気にゴール前25ydへ。的確なプレーコールとそれを見事に演じた選手の素晴らしいプレーであった。
さあ逆転のチャンス。QB#16郷原がオプションキープで素早くオフタックルを切れ上がりゴール前8yd。オプションキープは1ydロスするも、TE#34梅田がショートパスキャッチ後のパワフルなランでゴール前ギリギリへ。
最後はいぶし銀FB#4小西(4年)が中央へのダイブ。一度止められるも気迫溢れるダイビングでエンドゾーンへ。TFPは惜しくも失敗するも、ラン・パス・スペシャルプレー織り交ぜた猛攻により再逆転。前半残り時間2分26秒で13-7。

中大3rdシリーズは自陣33ydから。
2nd-10でのロングパスは守護神SF#25高森(4年)と成長著しいLB#1徳田(3年)がきっちりとカバー。投じられたパスは中大WRがSF#25高森のインターセプトを阻止するため辛うじてカット。
3rd-10まで追い込むも、スプリントアウトからのフェイクパスを通されて東大陣44ydへ。更にスクリーンで東大陣33ydへ。残り時間1分40秒、必死にゴールを狙う中大。
スパイクして時間を止めた後のQBドローでゴール前20yd。再度スパイクした後、パス成功でゴール前8yd。更にスパイクした後のドローはDE#55松永が見事なタックルでノーゲイン。3rd-10/残り時間28秒/中大のタイムアウト無し、ここを何とか凌げるか。
しかし、残念ながらフックパス成功によりTD献上。TFPも決まり、13-14と再逆転を許す。(残り時間24秒)

残り時間僅かでも最後まで得点を狙うウォリアーズ。
名手#33土井田が敵陣48ydまでのビッグリターン。
残り時間15秒、3回のパスが可能な時間。何とかFG圏内まで進めるか。WR#89三上(3年)へのショートパスが1回成功し、敵陣40ydで残り時間4秒。タイムアウトを取ってロングパスを投じるもプリベント守備を敷く中大ディフェンスの前に失敗。ここで前半終了。

【3Q】東大のキックオフで後半開始。
中大のリターンはリバース。あわやロングゲインとなるところを辛うじて止めて、中大1stシリーズは自陣46ydから。1stプレーのフェイクパス成功で一気に東大陣35ydへ。
更に2ndプレーのドローでゴール前23ydへ。
3rd-2まで粘るもブラストにFD献上し、ゴール前7ydへ。
しかし、シーズンを通して大きく成長したディフェンス陣が粘りに粘る。ドロー・QBドローに2ydしかゲインを与えず、3rdダウン/ゴール前5yd。スラントインパスはLB#1徳田の好カバーにより失敗。
結局4thダウンに追い込んで中大はFGトライ。FG成功により13-17となるも、このピンチをFGの3点に抑えたディフェンスは立派。この試合のキーシリーズであった。(3:27)

TDで逆転できる東大1stシリーズは#33土井田の好リターンにより自陣40ydから。
QB#16郷原が4ydオプションキープの後、QBドローで好走して敵陣45ydへ。ここでオプションフェイクからのロングパスで一気にTDを狙う。
QB#16郷原の完璧なパス、そして見事に中大DBを抜き去ったWR#今井。一瞬キャッチしたが、中大のタックルの前にボールをジャッグルして残念ながら失敗。しかし、WR#7今井のセンスとスピードは来年以降のウォリアーズの大きな武器となることを十分に予感させるプレーであった。
気を取り直してRB#33土井田のドローを試みるも1ydゲインに留まり、3rd-9。TE#34梅田の破壊的なブロックもあり、QB#16郷原がスクランブルで好走。ゴール前32ydへ。
3回のランでFD獲得できずに4th-インチとなるも、気持ちの切れない東大オフェンス。QB#16郷原がオプションキープから好走してゴール前16ydへ。WR#19池内が低めに投じられたスラントインパスをナイスキャッチして2nd-3。ドローは中大チャージの前にロスしてゴール前14yd/3rd-7。
この局面を打開するために、スペシャルプレーが欲しいところ。
I体型からQB#16郷原とTB#33土井田が左へフェイクし、右へ出たFB#4小西へスクリーンパス。昨年までWR/TEをこなしていたFB#小西。キャッチンぐセンスとスピードを活かし、フェイクにつられて大きく空いたスペースを 疾走し、一気にエンドゾーンへ。見事なプレーコールとそれに応えた選手達、観客席を唸らせる好プレーであった。
TFPは#32安達(4年)が今季初トライ。リターナーとしてもRBとして今季大活躍の#32安達。この大事な場面で落ち着いてTFPを成功させ、20-17と嬉しい再逆転。(9:43)

東大キックオフでは#28寿松木(4年)がラグビー仕込みの鮮やかなタックルを浴びせ中大2ndシリーズは自陣32ydから。
フェイクパス成功により一気に東大陣48ydへ。オプションピッチに7ydゲインを許すも、スクランブルはSF#9高木が素早く上がってタックルし1ydゲインに仕留め、3rd-2。
更にスイープに対してもブリッツしたSF#9高木が足元への見事なタックルを魅せて、僅か1yd/4th-1。

【4Q】何とかここを堪えられるか。
しかし、中央ランを何とか止めるもギリギリFD。
この後、フェイクパス・スローバックパスを続けて通されてゴール前11yd。最後は中大のパワフルランナーに中央を走られてTD献上。これで20-24と再逆転を許す。(1:19)

取られたら取り返すだけ。東大2ndシリーズは自陣32ydから。
2回のランでFD獲得ならず3rd-3となるも、QB#16郷原がオプションキープで巧みなスピード溢れるランを魅せ、自陣46ydへ。パス失敗、オプションピッチはノーゲインとなり3rd-10と胃が痛くなる展開は続く。
しかし、WR#19池内が中大DBにマークされながら低い難しいパスを見事にキャッチ。4年生の意地と気迫に満ちた値千金のプレーにより、敵陣43ydへ。
RB#33土井田が中央からオープンへ走って5ydゲインした後、QB#16郷原のドロー。巧くて速い素晴らしい走りと好ブロックが相まって、一気にゴール前14ydへのロングゲイン。
最後は#33土井田が中央突破してTD。誰もが待ちわびた我らが主将#33土井田のTDであり、RB#23大津をモーションさせてビア体型としつつ中央を突かせた相手を欺く見事なプレーコールであった。#32安達のTFPも決まり、これで27-24。(残り時間6:27)

勢いづく東大は好キックオフカバーを魅せ、中大3rdシリーズは自陣33ydから。
このディフェンスで止められるかどうか。いよいよ本試合のクライマックス。
2回のランにFD献上して自陣44ydへ。パス成功により東大陣44ydへ。しかし、ここで東大ディフェンスの本領発揮。
パスはLB#20小河(3年)がチップし、CB#3安部(4年)がハードタックル。ドローは3ydゲインに留めて3rd-7。スクリーンパスは気迫の全員ディフェンスで3ydゲインに留めて4th-4。中大タイムアウトの後のパスも失敗させて、残り時間3分半で攻守交代。
見事に中大オフェンスを断ち切ったディフェンス陣であった。

自陣38ydで攻撃権を手にした東大。1回FD獲得すれば勝利は確実。
RB#33土井田がオプションピッチで7yd好走し、QB#16郷原がオプションキープでギリギリFD獲得。残り時間2分半、これでほぼ勝利を手にした東大。
RB#23大津の3ydブラストの後、FB#4小西がダイブからの2ndエフォートで根性溢れる走りを魅せ、敵陣35ydへ。
最後はQB#郷原が静かにニーダウン。東大応援団の歓喜のカウントダウンの中で試合終了。

2年連続の勝ち越しとブロック4位という好成績を収めた瞬間であった。
強豪相手に真っ向勝負を演じて勝利したウォリアーズ史上に残る名勝負であり、極上の学生フットボールの試合であった。
一つの反則もミスもなく、最後まで集中力を切らさず、仲間を信じ勝利を信じて伸びやかに戦い、全てを出し切った戦士達。流した涙・味わった悔しさの分だけ成長した2010戦士達の集大成であり、その真価を十二分に証明した戦いであった。
今試合で引退する4年生、本当にお疲れさま。そしてありがとう。

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